by nakimusi
あれは寒椿です。
先週あたりから見頃になりました。
君は良い時に来ましたね。
ちょうど今が盛りです。
大学を退職した年に越して来ましたから、もう10年ですね。
冬の苦手な私を、この花が慰めてくれます。
さぁ、冷めないうちに、お茶を飲みなさい。
ずいぶんと久しぶりですね。
勘のいい君のことです。
もう察しているでしょうが、ええ、彼から君の事を聞きました。
案じてましたよ、彼。
学生時代の友人というのは、本当に得難いものですね。
いや、なにも今さら、先生ぶろうというのではありません。
私に何が出来るわけでも無いのですから。
ただ、君の顔を見たかっただけです。
それでね、君の顔を見たら、私は安心しました。
また来年も、この寒椿を見にいらっしゃい。
楽しみにして待っていますから。
きっとですよ。
*小さな物語は、写真から想起したフィクションです。
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