by sun_summer
ちょっと、あんた。
そこは空き家だよ。
なんか用かい?
…ふ~ん。
女の子?
…あぁ、憶えてるよ。
確かウチの孫と同級だった。
知り合いかい?
もう十何年になるかね。
奥さんが、あんな事になるなんてなぁ。
田舎だから、なにも無くたって噂になる。
そりゃ、居辛かったんだろう。
旦那は、娘さん連れて直ぐに越してったよ。
それっきり、どうしてるのやら…。
あの娘さんも、幸せになってくれてれば良いけど。
なんつったっけな、あの子…。
そぅそぅ、そんな名前だった。
幸せだった? そりゃ良かった。
ん? だった…って?
ちょっとアンタ…。
なんだい、行っちまったよ。
*小さな物語は、写真から想起したフィクションです。
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